何だか得体の知れないウイルスによる感染症が一気に広まってしまい、世界の様子が一変してしまいました。
2020年は誰もが今まで通りの暮らしを懐かしむ日々を送っていたはずです。
そしてそんな日々の中で願うこととして、よく耳にするようになった「しゅうそくする」という言葉です。
この「しゅうそく」は漢字で書くと「終息」と「収束」です。
世界中を恐怖に陥れた感染症のニュースで使われるのは「終息」なのか「収束」なのでしょうか。
それぞれの意味と正しい使い方について解説しましょう。
「終息」の意味とは?
「終息」とは、
混乱状態など、終わって欲しいことや止んで欲しいことがすっかり終わること。
という意味です。
「終わり」という意味が強い表現です。
この「終息」は、楽しいことや続いて欲しいことが終わる場合には使わないので、誰もが終わりを望むようなことが完全に終わった場合に使います。
戦争や紛争などの混乱は誰しも終わりを望んでいます。
このような場合に使うのが「終息」です。
「収束」の意味とは?
「収束」とは、
これまでまとまらなかったことが次第にまとまり、一本化すること。
という意味です。
バラバラの意見が話し合いを重ねているうちにまとまっていくことを表す時に使います。
また、混乱がひとまず落ち着くことという意味もあります。
「終息」と「収束」の使い方
同じ読みの2つの言葉は、意味も似通っていることがあるため、正しく意味を理解していないと使い方に迷います。
新型コロナウイルスのような感染症に対しては、「終息」を使います。
誰もが未知のウイルスに感染するのを恐れ、一日も早く予防法や治療法が確立されて、ウイルスの広がりが終わることを願っています。
これまでにも、世界保健機構(WHO)はSARSの流行が断たれたと判断した時には流行終息宣言を出しています。
新型コロナウイルスの流行に関するニュースなどで毎日のように耳にするのは「終息」が正しい使い方です。
「一旦は収束に向かったように見えたが、終息までには至らなかったため、第2波の流行が始まってしまった・・。」というように、同じ読み方をする言葉でも違う意味を持っているので、このような使い分けをすることもあるのです。
例えば、感染症予防対策のために専門家などの意見が分かれている場合などは、「議論を重ねて収束させなければいけない」というような使い方をします。
「集束」はどんな意味?
「しゅうそく」には「終息」と「終息」の他にも「集束」があります。
この「集束」は集めて束ねるという意味なので、「収束」と似ています。
しかし、「収束」は人々の意見や行動を1本化に向けて収めていくことです。
「集束」は物理的なことを意味して、「収束」は状態を表現するという意味として使い分けます。
まとめ
よく耳にするようになった今だからこそ、「終息」と「収束」の違いを知るきっかけにしなければいけませんね。
どちらも今の状況が早く落ち着いて欲しいと願う時に使えるのですが、今回のような世界中を脅かす感染症に対しては「終息」を使い、本当の意味で安心できる日々を取り戻したいと思います。