年末の国民的番組といえば紅白歌合戦です。
紅白歌合戦に出場できることは、歌手にとって名誉なことなのでしょうね。
幅広い年齢層の人たちが見ている番組なので、若いミュージシャンも家族や親戚に喜ばれることが嬉しいようです。
年末が近くなると、紅白に関する話題がよくワイドショーで取り上げられますが、誰がトリをつとめるのかも興味を引く話題です。
紅白の場合は、全出場歌手の最後の出番のことを「オオトリ」といいますね。
そもそもトリって何なんでしょうね。
漢字だとどのような字で示すのか、今ひとつわからない言葉です。
そこで「オオトリ」や「トリをつとめる」などのトリについて調べてみました。
トリをつとめるの語源とは
トリをつとめる、トリを飾るというような言葉は、現在では順番の最後の意味として使われるようになっています。
紅白のオオトリがまさにそれですね。
語源を調べてみると、寄席から始まった興行ことばのようです。
寄席というのは、落語や奇術や講談など色んな種類の芸を見せる舞台のことです。
現在では、常設している寄席がほとんどです。
有名なのは、東京では浅草演芸ホールや上野鈴本演芸場、新宿末広亭などがあります。
このような常設の寄席に出演する芸人は、色んなところから寄せ集めています。
しかし昔の寄席は興行主が臨時の寄席小屋をお祭りの時に出したりすることが多かったため、そこに出演する芸人たちは、同じ旅芸人一座がまとまっていることもありました。
寄席に出演した芸人たちに出演料(ギャラ)が支払われるのは、最後の出番をつとめた芸人にまとめて一括で払われていました。
それを最後に出演した芸人がそれぞれに配ったのです。
最後の出番の芸人が出演料をとり、それを配ることから、トリの語源になったと伝わっています。
最後の出番をつとめる人は、人気があったり、腕があることを認められている芸人が選ばれます。
興行主が出番の順番を決めるものだったので、トリをつとめることができる人は責任重大だったわけです。
トリを漢字で書くと?
オオトリやトリをつとめる、トリを飾るを文字で書くと、トリとカタカナで書かれていることが多いので、漢字ではどう書くのかよくわかりませんでした。
語源から考えると、ギャラを受け取る人のことなので、取りが当てはまるのかも知れません。
しかし「取りをつとめる」となると何だか意味が分からなくなってしまいます。
そもそも興行用語なので、今でいう業界用語ですから、漢字を当てはめる方が無理があるのでしょう。
トリと似ている言葉
最後の出番として使われるトリですが、同じような意味として使われる言葉として「殿(しんがり)」があります。
殿はもともと戦の時に使われてきました。
戦況が悪くなり、兵を引かせる時に軍列の一番最後をつとめることを殿と言います。
追われながら兵を引くことになると、殿は命がけです。
今の時代では、命がけで殿をつとめることなんてまず考えられないので、順番の最後などに使われるようになりました。
まとめ
オオトリも殿も共通して、責任重大な役割ということがわかりました。
どんな場合でも最後は重要ということです。