「バツが悪い」とは、気まずい雰囲気を表現する時に使われます。
ですが、なぜ「バツが悪い」というのでしょう。
そもそも「バツ」とは「罰」のことなのか「×」のことなのか。
「バツが悪い」という言葉の意味について解説します。
「バツが悪い」とは
「バツが悪い」とは、気まずい空気になることですが、その他にも
体裁が悪いこと。
間が抜けていること。
きまりが悪いこと。
このような時に使われる表現です。
「バツが悪い」の「バツ」とは
「バツが悪い」というのは、日常的に使われる慣用句です。
しかし多くの人が「バツが悪い」の「バツ」は「×」のことだと思っているようです。
しかし、由来はどうやら違うようです。
「バツが悪い」の「バツ」は、その場の都合や具合という意味を略した言葉が由来というのが有力な説です。
ということは、「バツが悪い」は「その場の都合が悪い」の略語として定着したということになります。
つまりは、新語、造語の類の言葉だったと考えられます。
今ではすっかり世の中に浸透しているので、新語や造語というイメージはありませんが、古くから存在する日本語ではなかったのですね。
「バツが悪い」と同じ意味の慣用句
「バツが悪い」には、大きく分けると2つの意味があります。
1つは、周囲に対して体裁が悪いという意味です。
この場合は、「きまりが悪い」や「体裁が悪い」という他にも、
「面目が立たない」
「体面が悪い」
「居心地が悪い」
このような表現を使うこともあります。
そしてもう1つの意味は、自分自身がその場の雰囲気の悪さに耐えられないという感情を意味する時です。
そういう場合は、
「居た堪れない」
「穴があったら入りたい」
「居心地が悪い」
このような表現を使うこともあります。
「バツが悪い」とは、周囲の空気に対しても、自分の感情に対しても使える表現なので、よく使われるのでしょうね。
「バツが悪い」の使い方
「バツが悪い」の使い方を例文で見てみましょう。
町内会の役員を頼まれたよ
私は断りたい
でもうちもそろそろやらないといけない頃だぞ
無理よ。家を空けられない事情があるんだから
あなた、断ってきてよ!
そんなこと言われてもな、あの雰囲気じゃ断りにくいよ
じゃああなたが役員の仕事を全部できるの?
できないから、結局私がやることになるでしょ!
うむ・・。
うちは付きっきりで介護しないといけない両親がいるんだから、仕方ないじゃない!
それを説明しないと理解してもらえないな
ただ断るだけじゃバツが悪くて町内を歩けなくなる
恥ずかしいことじゃないんだから、事情をきちんと説明して断ってくださいね
わかったよ
このような場面で使います。
まとめ
「バツが悪い」の「バツ」がその場の都合や具合を略した「バツ」だったというのは、初めて知った方も多いのではないでしょうか。
「バツが悪い」を使う時には、その由来を思い出してみましょうね。