らちが明かないの「らち」って何のこと?らちが明くとは言わないの?

ことばの意味

物事が進まないとか、問題が解決しない時などに「らちが明かない」と言います。

その「らち」とは一体何なのか知らないし、らちが明かないというからには、らちが明くとも言うのでしょうか。

らちが明くという日常によく使う言葉の意味を調べてみました。

スポンサーリンク

らちってなに?

らちが明くという言葉の意味には、物事がなかなか前に進まないとか、解決策が見つからないことですが、その時のらちとは何なのでしょうか。

らちを調べてみると、「埒」このような字で書くことがわかりました。

埒について調べてみると、馬の柵のことを埒というのだそうです。

らちが明く時とは?

埒が馬場の柵であれば、らちが明かないという言葉の意味がますます分かりにくくなりました。

語源を調べてみると、春日大社の御祭がこの言葉の起源になっているという説が見つかりました。

春日大社の御祭では、神輿を埒で囲って周りから見えないように隠しておき、お祭りの当日になって埒をあけて祝詞をささげてからお祭りに集まってきた人たちが初めて神輿を目にすることができたそうです。

そのことから埒が明くことで、見えないものが見えるようになり、物事が前に進むという意味で使われる言葉が生まれたと言われています。

埒が明くという言葉が先に使われるようになり、そこから埒が明かないという言葉だけが残ったようなんです。

今では埒が明かないとは言うけど、埒が明くとはほとんど使いませんから不思議なものですね。

スポンサーリンク

らちが明かない

埒が明かないとは、物事がはかどらない様子を表現する言葉としてすっかり定着しています。

ですが、由来がお祭りだったとは意外でした。

きっと春日大社の見事な神輿を見たくて多くの人が詰めかけたのでしょうが、埒で囲んで視界を遮ったことで、祭りが始まるには埒が明かないと何もわからないということから、困難で前に進めないことを埒が明かないというようになったのでしょう。

埒が明かないのと同じ意味の言葉

埒が明かないことと同じ意味の言葉には、

・先の見えない
・何も始まらない
・術がない
・お先真っ暗
・手の付けようがない
・打つ手がない
・救いようがない

このような言葉が似たような意味です。

埒が明かないという言葉に比べると、わかりやすいですね。

馬場を囲む柵のことを埒ということを知らなければ、埒が明かないと言われても何のことだかわかりませんよね。

それなのに埒が明かないことが物事が進まない困難な状態ということが普通に通用するなんて、余程昔からこの言葉が使われてきたのでしょう。

まとめ

埒が明かないという言葉を調べたことで、埒が馬場の柵だということがわかりました。

意外な由来でしたが、言葉って意外なところから生まれるものですね。