恐怖を感じた時に「ぞっとする」と表現する言葉はあるのですから、普通に考えれば「ぞっとしない」というのは怖くないという意味ではないかと思っても当然のことでしょう。
素直に考えればそうなるはず
そうよね
でも日本語ってそんな単純じゃないから難しい
たしかに素直に考えて「ぞっとしない=恐ろしくない・怖くない」と思っている人は半数を超えるというデータもあるようです。
半数以上がそう思っているのなら、もはやそういう意味になってしまいそうですが、正しくは違うのです。
では「ぞっとしない」の正しい意味や使い方について調べてみた結果です。
ぞっとしないの意味とは
ぞっとしないとは、感心しないとか、面白くないという意味で使います。
そもそもぞっとするとは、恐怖を感じた時に背筋が寒くなるような感じを表現していますが、恐怖を感じた時には「身の毛がよだつ」とか「鳥肌が立つ」という表現もします。
同じように感動したり、心に何かが響いた時に鳥肌が立つことがありますが、ぞっとしないという表現の意味が感心しないとか面白くないというのは、何も心に響くことがないとか、関心や興味が持てないこととして使います。
ぞっとする=感心するではない
恐怖を感じた時に使う「ぞっとする」の反対の意味で「ぞっとしない」を使うのが間違いだというのは、使うシーンが別だからです。
ぞっとしない(感心しない・面白くない)だから、ぞっとするは(感心する・面白い)とはならないわけです。
「ぞっとする」の使い方の例です。
昨日のニュースの○○事件見た?
ああ、ひどい事件だよね
じつはあの事件の容疑者がすぐ近くに住んでるんだよ
そうなの?怖いね~
ニュース見た時にぞっとしたよ
このような恐怖を感じた時に使うのが「ぞっとする」という表現です。
紛らわしいのですが、この二つの表現を結びつけないように気を付けないと反対の意味としてつい使ってしまうのでしょう。
ぞっとしないを使う場面
ぞっとしないの意味は、感心しない、面白くないというのはわかったとして、使い方にピンときますか?
今ひとつわかりにくいので、具体的な例をあげてみました。
君たちはいつも誰かのうわさ話してるよね
え~、そうですか?
ここに居ない人のことをあれこれ話すのはぞっとしないよ
この例では、感心しないという意味の使い方です。
次に面白くないという意味の使い方の例です。
次の休みに博物館に行こうよ
博物館で何を観るの?
世界のおもちゃの歴史を展示しているんだよ
おもちゃの歴史・・(^-^;ぞっとしないかな
このような使い方をするのですが、やはり日常的な会話に使うのは間違った意味で認識している人が多いので、難易度が高くなってしまいます。
まとめ
「ぞっとする」の反対の意味として「ぞっとしない」は間違いです。
とてもややこしいのですが、それぞれが慣用句として意味を持っています。
対義語として使わないように気をつけましょう。