【転がる石には苔が生えぬ】ということわざには2つの意味がある?

ことわざ・慣用句

苔とは石や岩のようなところに生える植物ですが、色んな種類があり、苔のマニアもいるほど奥の深いものなんです。

ですが、一般的には岩や石のように動かないところに生えていて、ちょっと湿気の多いところで見かけるので、好きじゃない人もいると思います。

ですが、ここでは苔の魅力についてはお話しません。

「転がる石には苔が生えぬ」ということわざの意味を解説しようと思います。

 

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【転がる石には苔が生えぬ】の意味とは

苔は、動かない石や岩に生えるものなので、転がる石には生えないのはわかりますよね。

そういう苔の性質から生まれたこのことわざには、どんな意味があるのか調べてみると、2つの意味がありました。

「転がる石には苔が生えぬ」の1つ目の意味は、

仕事をコロコロ変わったり、住んでいる場所を転々としていると、仕事も成功しないし、引越のたびに出費が多いのでお金も貯まらない。

ということを教えています。

そして、「転がる石には苔が生えぬ」の2つ目の意味は、

1つの場所で満足せずに、自ら進んで活躍する場所を変えていく人は、いつも新鮮な気持ちで過ごせるので、退屈することがない。

という意味があります。

驚きまませんか?
同じことわざなのに、意味が全く違います。

どちらも納得できるし、理解できますが、一字一句同じことわざなのに、伝える意味が真逆と言ってもいいほど違うのです。

仕事や住居など堅実性を大切にする教え

「転がる石には苔が生えぬ」ということわざの伝えている意味としては、仕事や住むところはコロコロ変えずに、落ち着いた方が良いということが先にありました。

苔は盆栽などをしている人には、とても大切なものです。
日本庭園などでは、苔生した岩などが美しく見えるため、苔が生えるほど同じところに落ち着くように教えているわけです。

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新たな挑戦の背中を押す教え

「転がる石には苔が生えぬ」のもう1つの意味である、同じ場所にじっとしていないで、新たな活躍の場所を求めて挑戦した方が良いという教えは、後から出てきた意味です。

この場合は、「転がる石に苔つかず」ということもあります。

まとめ

日本は終身雇用といって、一度就職した会社に定年まで勤続するのが当たり前だった時代がありました。

その方が年功序列で、それほど能力があるわけじゃなくても、給料が上がっていくので、同じ仕事をずっと続けた方が良いと言われ続けてきたのでしょう。

ですが、今は自分のスキルを生かすために転職する人も増えていますし、起業する人も増えています。

そういう時代になると、「転がる石には苔が生えぬ」の意味もあらたな解釈が生まれるのも理解できますよね。