子煩悩は子供を可愛がる親への褒め言葉として使うのは正しいのか?

ことばの意味

子煩悩と言えば子供のことをとても可愛がって大切にしている親のこと表現する言葉ですよね。

「子供と一緒に遊ぶ様子を公園などでよく見かけるから、○○さんのご主人はとても子煩悩です。」という感じでしょう。

一般的には子供を大切にする親に対して使う褒め言葉として使うのですが、子煩悩から「子」を切り離すと「煩悩」だけになります。

煩悩というのは、何となく良い意味ではないような気がするのですが、いかがでしょう。

子煩悩という言葉を褒め言葉として使っても失礼なことにならないのか調べてみました。

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子煩悩とは

子煩悩は、子供のことを優先する様子や、子供をとても大切にすることとして認識されています。
母親に対してよりも父親に対して使うことが多いのは、日本では父親が育児に深くかかわることが珍しかったことが影響していると思われます。
父親は育児のことは母親任せが当たり前だった時代が長かったので、子煩悩は父親に対して使うことが多くなったのではないでしょうか。

意味としては子供に対する愛情が深いということで通じているので、子煩悩という表現を褒め言葉として使っても相手に失礼なことではありません。

ただ、子煩悩とは少し違いますが、世の中には親バカとか過保護とか、子供に対しての愛情が過剰なことを揶揄したり否定気味なニュアンスで表現することもあります。

そもそも子煩悩とは、子供を可愛がる親への褒め言葉というよりも、親バカや過保護と同じカテゴリーの言葉として生まれたという説があります。

煩悩の意味

子煩悩から「子」を切り離すと「煩悩」になりますが、煩悩とは仏教から生まれた言葉です。
仏教で言うところの煩悩とは、精神を整える修行を邪魔するような気持ちのことです。

欲望や執着、怒り、妬み、恨み、憎しみのような気持ちのことを煩悩と言います。
と言うことは、子煩悩とは他のことが手につかないくらい、他のことが目に入らない、冷静な精神状態でいられないくらい子供への愛情や執着が強いと言う意味から生まれた表現だったと考えられます。

例えば、子供が生まれてから仕事よりも子供中心の生活になるとか、自分の子供のことを大切に思うあまり、他の子供を妬んだりするような感情を持つことが子煩悩の由来だと言えます。

そう考えると、今では悪い意味では使わないけれど、子煩悩と言われて喜ぶ人はいなかったのかも知れません。

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過保護や親バカとの違い

子煩悩と同じく、子供への執着や愛情が強いことを意味する過保護や親バカですが、似ているけれど少し意味が違います。

過保護の場合は子供がケガしたり病気になったりするのを怖がるあまり、成長する上で必要な経験をさせないとか、親が先回りして失敗しないようにするなど、子供を守ることを何より最優先することです。

親バカは自分の子供の対する評価に対することです。
親の贔屓目で正しい判断ができなくなるような深くて強い親の愛情のことを親バカと言います。

まとめ

子煩悩は過保護とか親バカと言われるのとは違い、良い親という意味として受け取っている人が多いので、褒め言葉として使っても礼儀を欠くわけではないし、相手を怒らせることにもならないでしょう。

言葉の由来を考えてみると、安易に使えないような気がしますが、今は子供への愛情が深い人として認識されているので失礼ではないので安心して使っても大丈夫ですね。