ことわざには盗人が出てくるものが沢山あります。
盗人は悪人ですから、悪いことを教えるのに盗人をモデルに使うのはわかりやすいからでしょうね。
では、盗人の昼寝にも当てがあるということわざはどんなことを伝えようとしているのかご存知でしょうか。
盗人の昼寝にも当てがあるということわざの意味について解説します。
盗人の昼寝も当てがあるの意味
盗人の昼寝も当てがあるということわざには、どんなことにも理由があるという意味があります。
人から見れば何の意味もないことのようでも、何ごとにも理由があるというのを教えるためになぜ盗人を使ったのか不思議なことです。
ですが、盗人という極端な存在を登場させることで、インパクトがあるので記憶に残ります。
盗人がただゴロゴロと昼寝している様子を見ても、その昼寝はただ眠くなって寝てしまっただけで、特段の意味があるとすぐに想像できません。
ですが、泥棒は暗闇に紛れて忍び込んで盗みを働くものが多いので、昼寝は夜のために身体を休めて準備するためだったと考えると、ただのんびりと睡魔に負けて寝ているのとは違います。
夜の盗みの当てがあるから、昼寝をしている。
だから盗人の昼寝も当てがあるということわざが生まれたわけです。
盗人の昼寝も当てがあるということわざは、短縮して盗人の昼寝として使うことも多いので、「当てがある」がなくなると余計に意味が分からなくなりますね。
盗人が登場する落語
泥棒は悪者ですが、ことわざだけじゃなく、落語にもよく登場します。
落語に登場する盗人は、何となく間抜けだったり、お人好しだったり、情け深かったりするので憎めない存在に描かれています。
例えば「締め込み」という落語では、留守中に盗みに入った泥棒が住人の帰宅に気付いて床下に隠れていたところ、盗もうとした着物の包みを見つけた住人が妻の駆け落ちの準備と勘違いする。
ちょっと近所に出ていただけの妻が帰宅すると夫はカンカンになって怒っていて派手な夫婦喧嘩になり、そのケンカを泥棒が仲裁するという落語です。
他にも「置泥」では、大工職人の家に盗みに入った泥棒と住人が居合わせたが住人は全く怖がる様子もない。
なぜかというと、住人の男は借金のかたに家財道具も大工道具もすべて失ってふんどし一丁だったので、何も盗むものがないから・・です。
なぜ大切な大工道具まで失うようなことになってしまったのか、そのワケを聞いているうちに泥棒の方が気に毒になってお金を置いていくという滑稽な落語です。
落語の世界に出てくる盗人は、どこか愛嬌のある人物像に描かれているのでことわざにも使いやすい存在だったのではないでしょうか。
物語になる泥棒
盗人の昼寝も当てがあるということわざの意味を知っても、その泥棒が凶悪犯罪者のように感じないのは、泥棒=悪人というわけじゃなかったからではないでしょうか。
例えば義賊として有名なねずみ小僧は、悪いことをして金儲けしているところから盗んで、貧しい庶民に配ったというウワサも伝わっています。
ルパン三世とかキャッツアイとか、アニメの主人公にも盗みを働く人物がいますが、共通しているのは「人を傷つけない」ことです。
いずれにしても、人の物を盗むのはもちろんダメなことですが、物語に使いやすいのは時代が変わっても共通しているようですね。
まとめ
盗人の昼寝も当てがあるということわざの意味には、どんなことにも理由があるということですから、私の昼寝にも理由があるので大目に見て欲しいです・・・。