手前味噌という言葉の意味を知っていますが?
ああ、そう言えばいますね。
「手前味噌ではありますが・・」と前置きして自慢話を始める人。
もしくは散々自慢話を聞かせてから「手前味噌でお恥ずかしい限りですが」とか言う人。
手前味噌ですが・・と言えば自慢話をしても許されるというような感じで使う人が多いみたいな気がしますね。
でも、それは意味としては正解ではないようです。
手前味噌の意味とは
手前味噌というのは、自分のことを大げさに自慢するという意味です。
今でこそ、味噌を自宅で作る人は減りましたが、昔は家で味噌を仕込むのは普通にやっていたことです。
現在でも、手作りで味噌を仕込む人はいますが、昔ほどではありませんよね。
手前味噌とは、自分で作った味噌の味を自慢する様子が他人様から見ると見苦しいことから、大げさに自慢をすることを手前味噌と言うようになったのです。
味噌を手作りするのが当たり前だった時代では、その家ごとに味噌の味が違います。
味噌汁を作るのにも、一軒ずつ味が違うのが当たり前だったわけです。
味の好みは人それぞれなので、自分で作った味噌を人に自慢するのは、ちょっと滑稽な感じでしょう。
手前味噌は自慢許可ではない!
手前味噌の意味が大げさに自慢することだとしたら、よく耳にする
「手前味噌でお恥ずかしい限りですが・・」
このように自慢する時に手前味噌だと言えば、自慢してもOKみたいな感じで使われることが多くなったのは、少し違和感があります。
たしかに誰でも時には自慢したくなることもありますが、手前味噌は「大げさな自慢」です。
味噌造りの職人が手間暇かけて仕込んでいる味噌とは違い、それぞれの家で作る味噌は、自分が思っているほど他の人が美味しいとは思わないかも知れません。
それなのに、自分の作った味噌を他人様に自慢するのが手前味噌なので、自慢する時に使う言葉として認識するのは必ずしも正しいとは言えないのです。
あえて使うというなら、他人様からとても褒められることがあり、周りから教えを求められた時などに「自慢話に聞こえたらごめんなさい」という意味で控えめに「手前味噌になると恥ずかしいのですが」と使うくらいが適当ではないでしょうか。
自慢話が大げさ過ぎる時は
自慢話は聞かせる方が気持ち良いかも知れませんが、聞かされる立場から言えば、退屈でうんざりして苦痛です。
それを象徴するようなことわざもあるんですよ。
「手前味噌で塩が辛い」と言います。
このことわざの意味は、自慢を聞かされるのは聞き苦しいという意味が1つ。
もう1つは、自分で作った味噌は塩が強くても美味しいと思い込むことから、大したことじゃないのに大げさに自慢している自覚がまるでないことです。
まとめ
手前味噌とは、自分で味噌を作るという単純な意味ではなく、大げさな自慢をするという意味があるのです。
やはり控えめで謙虚な方が好感が持たれるという認識が定着している日本では、自慢話はほどほどにしないと嫌がられるので気をつけましょう。